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電通ランウェイ社員が電通デジタル主催セミナーに登壇しました
- お知らせ
2026.04.09
先日、電通デジタルが主催するセミナー「AI Hacked Marketing Meetup #04」が開催され、電通ランウェイ(以下、ランウェイ)コーポレート・ソリューション統括本部 ソリューション事業部 エグゼクティブプロデューサーの坂本新さんがゲストとして登壇しました。
本セミナーは、AIの進化によってビジネスの現場がどのように変化していくのかをテーマに、マーケティングやプロフェッショナルサービス領域におけるAI活用の最前線を追っています。第4回目の今回は「BtoBプロフェッショナルサービスの業務変革」をテーマに、AIが業務プロセスや働き方をどのように変えていくのかについて、具体的な取り組みとともに紹介されました。
その中のトークセッションで、ランウェイが構想し、電通デジタルが開発を担当したーマルチエージェント型AIプラットフォーム「Mates AI(メイツ エーアイ)」が取り上げられました。本記事では、その内容をレポートします。
AI時代のマーケティング構造
セミナーの冒頭では、電通デジタル AIトランスフォーメーション部門 部門長の小林大介さんが登壇し、企業におけるAI活用の現在地と、同社が進めるAIトランスフォーメーションの取り組みについて紹介しました。
これまで企業のデジタル化はDXを中心に進められ、マーケティング領域ではデータドリブンマーケティングが主流となってきました。しかし現在は、そこにAIが加わることで構造そのものが変わり始めています。これからのマーケティングは、「人」と「データ」の間にAIが入る三層構造になるといいます。人が問いを立て、AIがデータを分析して示唆を導き出し、その結果をもとに人が意思決定を行うという形です。
電通デジタルでは、この変化をAIトランスフォーメーション(AIX)と位置づけ、マーケティング領域における変革を「AIMX(AI Marketing Transformation)」として推進しています。こうした考え方を背景に、具体的な事例として紹介されたのが、ランウェイの「Mates AI」です。
広告会社の業務を変える「Mates AI」
続いて行われた「Mates AI」のトークセッションでは、プロジェクトをリードしたランウェイの坂本さんが登壇し、開発を担当した電通デジタル AIトランスフォーメーション部門 AIコンサルティング第1事業部の勝谷友秀さんを聞き手に、開発の背景や設計思想について語りました。
「Mates AI」は、広告会社の実務に特化したマルチエージェント型AIプラットフォームで、与件整理、分析、戦略構築、ストーリー設計、資料作成といった広告提案のプロセスを一気通貫で支援することを目的に開発されました。開発の背景にあったのは、生成AIの登場によって広告会社の仕事の進め方そのものが変わるのではないかという問題意識です。
坂本さん「生成AIが出てきたときに、これは仕事のやり方が変わるかもしれないと感じました。ただ、既存のツールをそのまま使うだけでは、自分たちの仕事にはうまくフィットしない部分も多い。そうであれば、自分たちの仕事に合わせたAIを作る必要があると考えたんです」
広告会社の業務は、クライアントごとに課題が異なり、毎回ゼロから思考して提案を組み立てていく必要があります。与件整理から戦略設計、資料作成まで複数の工程が連なるため、プロセス自体も長く複雑になりがちです。そのため、単純な作業の自動化だけでは業務全体を変えることはできません。こうした背景から、「Mates AI」は単なる作業の自動化ではなく、提案プロセスそのものを支援するAIとして設計されています。

提案プロセスを支えるマルチエージェント設計
「Mates AI」の大きな特徴は、複数のAIエージェントが連携して提案プロセスを支援する「マルチエージェント型」の構造にあります。
広告提案は、与件整理、市場分析、戦略設計、ストーリー構築、プレゼンテーション資料作成など、複数の工程によって成り立っています。「Mates AI」では、それぞれの工程に対応するAIエージェントが役割を分担し、前工程の思考思想などのコンテキストとアウトプットを次の工程へと引き継ぎながら作業を進めていきます。
この設計については、提案プロセスを「リレー」に例えて説明がありました。
坂本さん「一つのAIに全部を任せるのではなく、それぞれの役割を持ったAIがバトンを渡していくイメージです。提案プロセス全体をリレー形式でつないでいくことで、より自然に業務を支援できるようになります」
また、社員一人ひとりの業務に寄り添う存在としてAIを位置づけるため、「AI Buddy(相棒)」というコンセプトも掲げています。AIを単なるツールとしてではなく、社員の隣で一緒に仕事を進める存在として設計されました。
実務からつくるAI開発
トークセッションでは、実際の業務にAIを適合させるための開発体制についても話題になりました。その中で強調されていたのが、ランウェイ社内のエースプレイヤーを開発プロジェクトに参加させた点です。
坂本さん「AIに学習させる内容は、誰の知識かによって変わります。エースの知識を入れれば、エースのような動きをするAIになる。だからこそ、開発の専門家に丸投げをせずに実際に成果を出している人たちが開発に深く関与し、その知見をベースに設計しました」
また、開発の初期段階から社内メンバーが実際の業務の中でAIを使いながら検証を行い、改善を重ねてきました。さまざまな職種や視点のメンバーが関わることで、実務に近い形でAIが進化していったといいます。

AIが変える仕事の時間と働き方
現在、「Mates AI」は社内での導入・活用が進んでいます。現場からは、「これまで7〜8時間かかっていた資料作成が1〜2時間でできるようになった」「より質の高い提案が行えるようになった」といった声も上がっています。
こうした変化について、坂本さんはAIの価値を「質と成長」という観点で語りました。
坂本さん「例えば、資料作成の時間が20〜30%削減されれば、月間で30時間程度の時間が生まれる可能性があります。その時間を企画の質を高めることやインプットに使えるようになれば、個人の成長にもつながると思っています」
AIは単なる効率化ツールではなく、仕事の質を高めるためのパートナーです。人がより本質的な思考に集中できる環境をつくることが、これからの組織に求められていくのかもしれません。
トークセッションの後には、電通デジタル AIトランスフォーメーション部門 AIコンサルティング第1事業部 グループマネージャーの阿部佳怜さんより、同社のAIトランスフォーメーションに関する取り組みについて紹介がありました。企業におけるAI活用の支援事例などが紹介され、セミナーは締めくくられました。
いかがでしたでしょうか。
今回のセミナーでは、AIが広告会社の業務をどのように変えていくのか、その具体的な取り組みとしてランウェイの「Mates AI」が紹介されました。電通ランウェイは今後も、「Mates AI」の機能拡張や高度化を継続的に行い、クライアントの事業成長に貢献する高品質な統合コミュニケーション提案をご提供できる体制づくりを進めてまいります。
また、社内で培ったAI活用ノウハウをもとに、将来的にはクライアントとの共創や、広告・マーケティング領域における新たなソリューション開発にも取り組んでいけたらと考えています。
ランウェイでは通年で採用を行っています。新しい挑戦を一緒につくっていく仲間をお待ちしています。ぜひ採用情報をご覧ください。