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電通ランウェイで管理監督者向けのBCP訓練を実施しました

作成者: 電通ランウェイ|Oct 19, 2026, 3:00:00 AM

 

電通ランウェイ(以下、ランウェイ)では、社員の安全確保と事業継続の備えとして、防災・危機管理の取り組みを続けています。以前、公式noteでもご紹介した普通救命講習は、希望する社員が参加できる形で、その後も継続して実施しています。

 

2026年8月には、管理監督者を対象としたBCP(事業継続計画)訓練を行いました。簡易式HUG方式と呼ばれる、災害状況カードを使って状況の変化に応じた意思決定を重ねていく実践型の訓練です。

 

会議室に3つのグループをつくり、大規模地震が起きた直後から72時間をどう乗り切るかを、実際に判断しながら考える時間となりました。

 

 

防災への取り組みから、判断する訓練へ

訓練を企画したのは、コーポレートコミュニケーション部 総務ユニットの伊藤さんです。防災士、自治体の防災アドバイザー、上級救命技能認定の資格を持ち、普通救命講習でも企画運営をリードしました。

 

伊藤さんが訓練の出発点に置いたのは、「情報の盲点」でした。

 

伊藤さん「ランウェイのオフィスがある電通本社ビルは、停電もしないし、通信網も大丈夫だろう。そんな漠然とした安心感が、どこかにあると思うんです。けれど、スマホがあればどんな情報も手に入るこの時代に、想定していない被害が起きたときには情報が得られない、見られないという事態が起こり得る。その矛盾を突いて、ハッとしていただく。そこから啓発を図りたいと考えました」

 

冒頭では、ビルの防災設備と避難経路、社内に備えている災害備蓄品について説明があり、続いて、コーポレート事業部長の岡田さんより、安否確認システムの操作方法の確認が行われました。

 

安否確認システムの操作方法を説明する岡田さん

 

 

会議室が、発災から72時間の現場に変わる

 

訓練は、災害状況カードを使った図上訓練の形式で行われました。3グループに分かれ、それぞれのグループで「本部長代行」「総務(安否確認)」「施設・設備」「情報・広報」「事業継続」の役割を分担します。

 

配られるのは、状況が書かれた緑色のカードです。「初動(発災〜3時間)」「6〜24時間」「24〜72時間」の3段階で追加され、時間が進むにつれて状況は悪化していきます。通信が使えない、出社している社員が限られる、経営トップが不在。情報が足りないまま、グループは「いま最優先すべき事項トップ3」を決め、なぜそれを選んだのかまで説明しなければなりません。

 

運営の方針は、「議論より決断を重視すること」「迷ったら決めること」。配るカードの枚数は絞り、そのぶん一つひとつの判断を深く掘り下げる。決めた優先順位には、必ず理由をつけて説明する。

 

そしてもうひとつ、あえて議題に組み込まれていたのが、経営トップが不在のときの意思決定ラインです。体制図上は対策本部長を務める社長が社内にいない場合、誰が代行を務め、どこまでの判断を引き受けるのか。各グループは初動のフェーズで、まずこの点を確かめるところから始めました。役割はフェーズごとに交代するため、参加者は一つの立場に留まらず、複数の視点から同じ状況を見ることになります。

 

災害状況カード

 

真剣にグループで討議する様子 

 

 

すべてが大切に見えて、優先順位が決められない

 

各グループが、初動から72時間までの行動計画を発表しました。共通していたのは、まず何を最優先にするかを決めきることの難しさです。

 

「複数の対応が同時に発生する中で、社員の安全や安否確認、クライアントへの対応など、どれも大切に思えてしまい、優先順位をつけきれませんでした」

 

「負傷者の救護と社員の安全確認という、絶対的な最優先事項まででやっとでした。守るべき順番があらかじめ明確ではなく、どこに時間を割くべきか判断しづらかったです」

 

一方で、迷いなく「まずは社内・社員を優先しよう」と判断したメンバーがいた、という声もありました。すべてに同時に対応しようとするのではなく、何かを後回しにする判断も必要になる。発表の場は、その感覚を共有する時間にもなりました。

 

自部門に持ち帰りたいこととして挙がったのは、いずれも平時の確認でした。

 

「すべての状況に答えが用意されているわけではなく、その場で判断しなければならない場面が多くありました。自部門でも、誰が何をするのか、まず何を確認するのかを、平時のうちに決めておきたいと思いました」

 

「私自身、全避難経路を使ったことがなく、備蓄品の保管場所も把握できていませんでした。まずは全社員が自助できるような説明会や研修が必要だと感じました」

 

「いざというときはシステムや連絡手段が使えない可能性があります。普段から、代わりの連絡方法や役割分担を確認しておきたいです」

 

グループごとに説明をします

 

 

「自分は大丈夫」を崩すことから、備えは始まる

 

訓練を企画した伊藤さんに、話を聞きました。

 

―― 時間に制約をかけて進められたのは、なぜでしょうか。

 

伊藤さん「実際に発災した場合の緊迫した状況を、訓練で疑似的に経験していただきたいと考えました。管理職として、いかに判断していただくか。そのために、あえて時間を区切って実施しました」

 

―― 今回の訓練を、会社としてはどう位置づけていますか。

 

伊藤さん「広告やコミュニケーションの仕事を担う会社として、災害時にも機能し続けられる、信頼される災害対応計画を整えておく必要があると考えています。今回の訓練も、その一環です」

 

―― 管理職に限らず、全社員がいますぐできる備えは何でしょうか。

 

伊藤さん「防災の行動を起こすこと。そのために、自分や家族が何をできるかを考えて、すぐに行動に移すことだと思います。人はどうしても『自分は大丈夫』と思いがちです。平素から、災害が起きたときにそれぞれがどう動くのかを家族と話し合っておく。あれもこれもと欲張らないこと。まずは、そこからスタートです」

 

訓練を進行する伊藤さん

 

 

安心して働ける環境をめざして

 

発表を受けて、コーポレート担当執行役員の岩瀬さんから各グループへの講評があり、最後に、代表取締役社長執行役員の鈴木さんから総括がありました。

 

講評する岩瀬執行役員

 

総括する鈴木社長

 

 

鈴木さん「有事には、十分な情報が揃わない中でも判断し、行動しなければなりません。今回の訓練を通じて、人命と安全を最優先に考え、責任ある意思決定ができるリーダーであってほしいと期待しています。

 

社員の安全は、事業継続に優先する最も大切な価値です。会社として備えを強化するとともに、一人ひとりが防災を自分事として捉え、日頃から備える文化を築いていきたいと考えています」

 

 

今回のBCP訓練はランウェイにとって、手順を確認するための研修ではなく、管理職一人ひとりが“判断する力”を確かめるための大切な機会になりました。訓練で見えた課題を一つずつ確認しながら、社員が安心して働ける環境づくりにつなげていきたいと思います。